ネコリグ、ダウンショットリグ、ジカリグ、ビーフリーテキサス、チェリーリグ…。
今日のバスフィッシングには色んなリグがありますね。
日々新たなリグが誕生したり改良されたり。釣り人もそのアップデートに大忙しです。
今日はそんな今日のバスフィッシングにおいて、オールドスクールなテキサスリグは不要なのかというテーマを考えていきたいと思います。
もちろん釣り下手なツリラク個人の考えでは説得力がございませんので、権威であるBassmasterのお力を借ります(笑)。
というわけで、Bassmaster “Goodbye to the Texas rig?”を抜粋翻訳していきたいと思います。
テキサスリグの衰退
フィネスな釣りにおいて、テキサスリグは権威を失ってきている、と著者のDave Prechtが語ります。
昔は4インチワームに1/0のフック、1/16オンスのシンカーで一日中良く釣れたけれど、今日のバスフィッシングは、やれダウンショットだ、ネコリグだ、シェイキーヘッドだワッキーリグだと、それをマスターしないといけない風だと。
この著者のデイブ氏は、『Bassmaster Magazine』の編集者で、長きにわたってアメリカンバスフィッシングを文字にしてきた方なんです。
ネコリグが釣れるとか、ネコリグで優勝とか、そういうシーンは近年色んな所で見ているところですよね。それはアメリカでも同じなようです。
そしてそれは「テキサス離れ」だと。
ダウンショットリグの台頭
Drop shotting burst onto the national fishing scene at the end of the last millennium, as Aaron Martens and other West Coasters began winning tournaments with them. Using a drop shot rig in waters off Lake Michigan, Mark Rizk came within a pound of unseating Woo Daves for the 2000 Bassmaster Classic crown.
アメリカのフィッシングシーンをダウンショットが席巻したのは二十世紀の終わり。アーロン・マーティンスやウェストコースト出身のプロがトーナメントでダウンショットをウイニングルアーにし始めたのだ。マーク・リスクは2000年のバスマスタークラシックで、ウー・デイブスを追いやったが、そのときもダウンショットが立役者になったのだ。 |
アメリカでダウンショットが流行ったのは90年代後半からなんですね。そこからダウンショットの存在感は凄いものになっていったというわけです。
日本でダウンショットの産みの親と言われているのが村上晴彦氏。「常吉リグ」と名付けられたそれがダウンショットの起源だと言われています。
常吉リグの生誕がいつなのか、ちょっと探し当てることができなかったのですが、村上さんの発明がアメリカのバスフィッシングシーンを変えたということでいいのでしょうか。
それってすごいことだよな…。
I had been introduced to the technique earlier that summer, when Tom Bedell, owner of Berkley and Co. at the time, invited me to fish with the grand master of drop shotting, Katsutaka Imae of Japan. Imae and I were to meet at the ramp on West Okoboji Lake at Spirit Lake, Iowa, but when I arrived, Imae was already out on the water.
A Berkley staffer had a couple of nice “picture fish” in his livewell for a photo session, but Imae would have none of that. “I don’t pose with someone else’s fish,” his interpreter said he said. Within 30 minutes, on a lake he had never fished before, Imae returned to the dock with a 5-pound smallmouth.
私がダウンショットを教えてもらったのはその夏。バークレーのオーナーだったトム・ベデルが私にカツタカ・イマエというダウンショットリグのグランドマスターを紹介してくれたことがきっかけだった。イマエと私はアイオワ州のウェストオカボジ湖で落ち合うことになっていたが、着いたときにはもうイマエはすでに水の上に浮かび、釣りをしていた。
バークレーのスタッフがフォトセッションにぴったりの、写真映えするバスを獲っていた。イマエはもしかしたらそんな良型のバスを獲れるかわからないにも関らず、「誰かが釣ったバスとは写真を撮らない」と、通訳を通して言い放ち、その30分以内に、しかも今までイマエは釣りをしたことのない湖で、5ポンドのスモールマウスを釣り上げ、桟橋へ戻ってきたのだった。 |
あの今江プロがこの記事に出てくるとは。
というかかっこよすぎますよね、今江さん。
グランドマスターは、しれっと巨虎を狩ってみたわけですよ、ダウンショットで。自分の魚でしか写真は撮らないって言ってですよ。しびれます。
イマエはそのリグを常吉リグと紹介したようで、通訳はそれを、”Good-luck rig”って翻訳したんだとか。
グッドラックリグ…。このお話の流れだとかっこよく響きますが(笑)。
ネコリグの襲来
The Neko rig is the next big thing in bass fishing. Elite Series anglers Brett Hite and Randall Tharp, among others, have quietly been sweetening their bankrolls with the rig, which is essentially a nose-weighted wacky worm.
I tried that one out six or seven years ago when B.A.S.S. and I lived in Florida, and I was immediately impressed. Why I went right back to my standard Texas rigs I can’t say. I should have stuck with the Neko.
That technique — it’s much more than just a way of hooking a worm — is on fire right now. VMC has introduced a line of Neko weights and special hooks designed for the rig and can’t keep them in stock. I know, I tried to buy some after Bassmaster editor James Hall whipped my shaky head with a Neko rig 6 to 1 the other day.
バスフィッシングシーンにおける次の大旋風がネコリグだった。ブレット・ハイトやランダル・サープといったエリートシリーズのアングラーたちが、この頭に重さを乗せたワッキーワームで賞金を獲始めたのだ。
B.A.S.S.と私がフロリダを拠点にしていた6、7年前に初めてネコリグを使ってみたのだが、そのとき一瞬でこのリグに感動したのを覚えている。 テキサスリグは私のスタンダードだった。だから理由もわからずテキサス頼りになってしまう。けれどもっと早くネコリグに頼るべきだったと、そう思っている。 その、単にワームをフックに掛けただけとは言えないテクニックは、まさに今爆発的なブームになっている。VMCはネコリグのシンカーやフックを発売し、在庫を持てないほど売れている。私のシェイキーヘッドが、バスマスター編集者のジェームスのネコリグに釣り負けたのをきっかけに買ってみようと思ったので、どれだけ売れているかも私はよくわかっている。 |
ダウンショットリグの次は、ネコリグの襲来でした。
ネコリグ・・・ネコリグも村上さん発祥ですよね・・・。
村上さんの評価はアメリカで一体どうなっているのでしょう。
でも面白いですよね。日本でのメソッドが太平洋を越え、様々な条件が異なっているはずのアメリカでも有効になり、流行になるなんて。
その点について、著者デイブはこう続きます。
All these techniques were designed to work against highly pressured bass in Japan and in the Western United States, and they have proved their worth wherever bass swim.
これらダウンショットリグやネコリグはハイプレッシャーな日本やアメリカ西部のフィールドを攻略するために生まれてきた。そしてバスが泳いでいるどんな場所でも、その力を発揮、証明してきた。 |
中々釣れない環境で開発され、改良されてきた背景のあるダウンショットやネコリグ。だから釣れるわけだということですね。
日本のお隣韓国からは「ジグヘッドワッキー」がやってきまして、日本でもブームになり、そして定番になりました。今は「フリーリグ」というのも流行りつつありますね。
海を渡っても釣れるのはそのリグそのものの力なのか、それともまだ見慣れていないそのリグに騙されるからなのか。
見慣れてないから釣れるというも一理あるでしょう。が、日本というタフなフィールドで生まれたネコリグもダウンショットも、海を越えて本場アメリカで賞金稼ぎの手助けをし、ブームとなっているんですからリグ本来の力があることに疑いはないですよね。
こうなったらダウンショットで・・・とりあえずネコリグで・・・ってなってしまうのは今も同じですし、やっぱり釣れちゃいますもんね。
ネコリグやダウンショットもそうですが、シェイキーヘッドというリグもアメリカでは大人気かつパワフルなテクニックで、テキサスを凌駕するフィネスなリグとしてこの記事でも触れられています。
シェイキーヘッドもネコリグも、「頭下がり」が特徴。
頭が下がり、ボトムにつきながら、お尻は艶めかしく揺れるという共通項。
どうやらこれがバスに口を使わせるムードを作る肝だ、と。
そういう話が出てきました。
気難しい現代のバスには、いかにナチュラルにそして生命感あるプレゼンテーションをするかが大事なんだということ。
それがアメリカのバスフィッシングシーンを通しても見えてきます。
スレバスへの試行錯誤に苦労するのは日本だけではないということですね。
そしてテキサスリグは
I won’t go on a road trip without bullet weights and worm hooks — which I still think are superior for fishing in and around wood — but neither will I fail to pack some standup jigheads for open-water situations.
私はバレットシンカーとワームフック無しで釣りへ向かうことはないだろう。
私はまだ木々を撃つ釣りにおいてはテキサスリグが優れていると、そう思っている。オープンウォーターではボトムで立つシェイキーヘッドを使うことは忘れないだろうが。 |
ダウンショット、ネコリグ、シェイキーヘッドといった新興勢力の力を認めつつも、水中の木々、枝、複雑なカバーを撃つにはやっぱりテキサスだと。
著者のデイブはこの記事の最後にそう言うんですね。
色んなリグがやってきた。確かにそれらは釣れる。でもだからと言ってテキサスが釣れないわけでも、テキサスの長所が威力を失うわけでもないということなんです。
テキサスはテキサスの良さがある。
テキサスじゃなきゃ獲れない魚もいる。
フィネスが釣れようと、適材適所でテキサスの力に頼らないといけないシーンが必ずあるわけです。
確かにオープンウォーターでは他のリグに釣り巻けるかもしれない。
だけどテキサスリグにサヨウナラなんて、そんなこと絶対に言わないよっていうお話。
そういうお話でした。
まとめ
今日はテキサスリグは不要なのか、というテーマの記事を紹介しました。
テキサスリグの話というより、アメリカンバスフィッシングの歴史の一編を読むというような内容でしたね。
今江さんのお話も出てきたり、読んでいて非常に面白い記事でした。
テキサス。個人的にはさよならなんて言いません。
今年はテキサスにお世話になりましたから。
今年はテキサスで釣りをもう一度学び直すというテーマを持ってやってました。
それを十分にできなかったので、2018もテキサスにはお世話になるつもりです。
ということで、テキサスリグ不要論なんて言わせないぜというデイブさんのお話でした。
でもなんで常吉リグは日本でダウンショットと呼ばれるようになり、アメリカではドロップショットになったんだろ。ネコリグはアメリカでもネコリグなのはなんでなんだろ・・・。
Thank you for reading!