大森プロの活躍と、それを支えたクランクベイトが話題になってますね。
ニシネルアーワークスの西根さんが、あのRTOの赤いクローカラーをデザインしていたというストーリーも飛び出し、しびれっぱなしの最近です。
先日冬のクランクベイトのカラーについてこんな記事を書きました。
冬の魚は体の色がマットかつ白っぽい。ということでアピールの強すぎるカラーより、抑えたほうがいいよという内容でした。
ではなぜ大森プロの赤いクローカラーが炸裂していたのか。
自分のフィールドでもこの時期赤は効くのか。
色々と謎が深まったそんなとき、ケヴィン・ヴァンダムがBassmasterで、赤について語ってくれました。
今日は“The mystery of red crankbaits”を翻訳し、赤というカラーの謎に迫ります。
赤というカラー
Photo by Bassmaster
春は赤が効くとか。
マッディーなら赤とか。
ザリガニがいたら赤とか。
この湖は赤とか。
赤がマストカラーになる時期や地域がありますね。
大森プロが優勝したあのレイクマーティン戦。
多くのアングラーが赤を投げていたようです。
早春のレイクマーティンと赤。
ケヴィン・ヴァンダムがこの謎解きを始めます。
あの試合で
あの試合、観ていた方は気づいていらっしゃるかもしれませんが、映るところ映るところ、水の色が違いましたよね。
多様な水質が特徴的で、自分なら困っちゃって話にならないなと思っていたのですが、そんな中、赤いクランクベイトが炸裂するのです。
ケヴィンヴァンダムは、こう触れます。
It’s no secret that any crawfish colors are good choices in late winter and early spring, but it amazes me how universal red has become. It’s not just a dirty or clear water thing or a Texas/Louisiana thing, but we are discovering that it is a good color during that early prespawn period just about everywhere.
早春のクローフィッシュパターンは確かにある。
けれどなぜ赤がそんなに効いたのか、本当に驚きだ、とケヴィン。
マッディーに赤とか、テキサス、ルイジアナといった地域は赤というセオリーはあったけれど、この時期のレイクマーティンに赤??という話なのです。
アーリープリスポーンというこの時期に、赤がどんなところでも効くのではという仮説の証明を今私たちは目にしているんだ、とケヴィンは語っております。
この時期のザリガニ
ケヴィンヴァンダムは面白い話をはじめます。
I’ve always thought that had to do with the fact crawfish are red early in the season, but the fish I had in my livewell at Martin weren’t regurgitating red crawfish.
早春のザリガニは確かに赤くなる。
けれど、レイクマーティンで捕ったザリガニの色は、赤くなっていなかったというのです。
で、なぜ赤が効いたのか、余計に気になってしまうわけです。
春に赤が効くの理由は水質から?
この試合、ケヴィンの甥であるジョナサン・ヴァンダムも赤いクランクベイトを、巻いていました。
ケヴィンも赤いクランクベイトを巻いていました。
ジョナサンはクリアウォーターで。
ケヴィンはマッディウォーターで。
二人とももちろんストライクキングのクランクベイトを投げておりました。
ケヴィンはシリーズ3と3XDを投げ、ジョナサンはシリーズ5と5XDでディープを攻めていました。
二人ともよく釣れたということで、水質の問題でもない、とケヴィンは言います。
水質に関係なく赤が効く…
ザリガニはまだ赤くないけど赤が効く…
赤の謎は深まります。
「春に赤いクランクベイトが効く」仮説
ではなぜ赤が効いたのか。
ケヴィンはこう切り出します。
My hunch – and it’s strictly a hunch – is that Martin has a lot of red clay points and bottom.
ケヴィンの仮説は、レイクマーティンのボトム。
赤い粘土質のボトムがレイクマーティンには多くあったというのです。
さらに、
As I think about that, I’ve noticed that red has been a good color choice on other lakes I’ve fished with red clay bottoms.
思い返せば、赤い粘土質のボトムが広がるフィールドでは赤がよく効いたよね、と言うのです。
その理由はケヴィン曰く、
ボトムの色に生物が同化する。
バスは同化した生物を視覚的に判断する力が長けるようになる。
その色のルアーは違和感なくバスの目に映る。
そして思わずその色に、その動きに口を使う。
これがケヴィンの出した答えなのであります。
さらに大切なこと
同化とカラーセレクトというのは大切なポイントです。
が、赤いクランクベイトをこの時期に使う際、ザリガニ似せるようにしっかりボトムを跳ねさせることが、特に大事だと加えます。
少し水温の安定した濁りの強い場所であれば、スクエアビルクランクで暴れさせること。
水温の低いクリアなコンディションであれば少しタイトなアクションを意識すること。
あの日のレイクマーティンではそんな風にアングラーは赤いクランクベイトを操り、魚を捕っていたのです。
まとめ
ケヴィン・ヴァンダムの「赤いクランクベイト論」について書いてきました。
前回の冬のクランクベイトとカラーについての記事でも感じたものがケヴィンの話にも出てきていて、「答え合わせ」ができるような内容で非常に面白かったです。
見せないように、見せる。
気づかれないように、でも気づかせる。
カラーのこと、クランクベイトのこと、改めて深く考えるきっかけになりました。
自分のフィールドでは、どうだろう。ボトムを叩いて使うなら、赤は違うかな。
なるほど、ここでシャッドカラーが効く意味がわかってきたような。
同化と引き方。そして水中の「変化」により意識を向けて釣りをしていきたい、そんな風に改めて感じた記事でした。
というわけで、ケヴィン・ヴァンダムによる、赤についての謎解きでした!
Thank you for reading!