2017年、日本のAOY(アングラーオブザイヤー)を獲得した青木大介プロ。
同年アメリカでAOYを獲った若きアングラー、ブランドン・パラニューク。
この二人がセッションを、という動画を観ました。
動画
こちらは二人が一緒に釣りをする姿を追った動画。
そしてこちらは、それぞれが使っているタックルを紹介したり、互いに色々質問しあったり、という動画になっています。
今日はこの動画の感想を書いていきたいと思います。
「釣りは僕らの共通言語」
パラニュークが青木プロに質問をします。
「PEを使う時、フロロを使う時、何を基準に考えるの?」
この質問に、日本語+ジェスチャーで答える青木プロ。
するとパラニュークが、「青木プロがなんて言ったか訳してみようか?」と言い出します。
「PEだとアクションを入れるベイトを引っ張っちゃうけど、フロロだとシェイクしてもベイトが移動することなく・・・」と見事に翻訳するパラニューク。
日本語がわからずとも、文脈を踏まえれば、アクションや単語だけでも十分通じるもんだというのはちょっと味気ない、非常に面白いシーンが見られました。
パラニュークは動画内で何度も青木プロと自身の共通点について語っています。
文化や言語、社会的価値が異なる世界で生きてきた二人。
フィールドでどうタックルを選ぶのか、どう投げるのか、どうアクションを入れるのかという点において、似ているところが多かったそうなのです。
似ている考え方。
その答え合わせを、文化や言語を超えて行っている二人の姿。
“Fishing is our language(釣りは僕らの共通言語だから)”という言葉に、胸が熱くなりました。
パラニュークの魚の探し方
広大なフィールドで、そして釣ったことのないような場所で、パラニュークはどう魚を探すのか。
2017AOYの考えに触れることができました。
もちろんどんなフィールドなのかを知ることは大切。
情報はいくらでも手に入る昨今、そういう情報に囚われる危険もある。
もしいいアングラーなのであれば、どんなフィールドか、魚が集まるのに必要な要素を理解していれば、自分の感覚を信じればいいと思う、とパラニュークは語ります。
トーナメントの3、4日でもコンディションは変わる。
その変化に対応できるか、そして「変える」ことができるかが大切で、場所を移す勇気を持つことが重要になるとパラニュークは付け足します。
また「戻る」ことはできるから、「変える」ことや状況に合わせることを恐れちゃだめだよというのがパラニュークのアイデアでした。
青木大介プロはアメリカで通用するのか
青木プロがアメリカでやっていけるのか。
そんな話題も飛び出します。
「魚を見つけられれば、青木プロはオープンでも十分通用する」と語るパラニューク。
確かに、日本で武器となってきた「フィネス」から、「アメリカの魚を獲るための術」に順応させないといけないかもしれない。
そういう不利はあるかもしれないし、地の利のなさも不利かもしれない。
けれど、見方を変えれば武器もあると、パラニュークは言います。
青木プロがどうフィールドを見るかは、慣れていないがゆえにニュートラルで、思い込みもなく、アメリカのアングラーが見落とすかもしれないことに気付きやすい。
とにかく大事なのは、誰かの助けに頼るのじゃなく、自分を信じること、そして変化や順応を恐れないこと。
釣りだけじゃなく、これは色んなことに言えるような気がします…。パラニューク、格好よすぎる…。
アメリカで釣りをするということ
写真:DeeeP STREAMさんよりお借りしています。
とにかく5匹魚を揃えなさい。
パラニュークはそのキャリアのスタート時、スポンサーにそう言われたと言います。
魚を釣れば、アメリカではすべてが変わる。
魚釣れば釣るほど、信用も得られ、お前が誰なのか、みんなに知ってもらえるようになる。
それは日本でも同じなはず。
にも関わらず、言葉を始め、多くの障壁や困難があるアメリカという舞台を目指す日本のアングラー達。
私は今年、アメリカで釣ることの魅力、そして戦うことの難しさをDeeP STREAMのKenDさんから垣間見させて頂きました。
言葉が話せても。釣りが上手くてもうまくいくわけじゃないという世界。
それでも人を突き動かす何かがアメリカにあるのか…。
だから応援したい
自分の腕を試すため。
自分をより成長させるため。
日本では味わえないものを味わうため。
様々な想いが、アメリカに挑戦する日本のプロアングラーたちにあって。
日本のタイトルを総なめにしたアングラーも、メディアプロとして大人気なアングラーも、大きなブランドを率いるあのアングラーも、あまり日本では取り上げられていないアングラーも。
それぞれの想いを胸にアメリカに挑む姿を想像すると、胸が熱くなり、心から応援したくなるのです。
青木プロに北プロ。そして伊藤巧プロがアメリカに挑戦するという衝撃的ニュースが日本のバス釣り界を驚かせた2018年。
2019年は、アメリカに挑む色んなアングラーをもっともっとメディアに取りあげて頂きたいなと、そう願ってやまないのです。
まとめ
と、近所の小さい池や河川でしか釣りをしていない人間があーだこーだ言ってる訳ですが(笑)
パラニュークのタックルセレクト。
パラニュークの学ぶ姿勢。
コミュニケーションツールとしての釣り。
青木プロの挑戦する姿。
多くのたまらないシーンに胸が熱くなりっぱなしな動画でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました!